研究

概要

本研究室では、計算生物物理学を基盤として、RNAの構造、フォールディング、相互作用、および治療応用の理解と設計に取り組んでいます。RNAは多様な生命現象を制御する中心的分子であり、RNA医薬および遺伝子治療の分野において重要性が急速に高まっています。分子シミュレーションを通じて、RNAの物理化学的性質と分子機構を定量的に解明するとともに、治療応用への展開を目指しています。

1. RNAフォールディングとダイナミクス

RNAの機能は、その構造形成と動的挙動に強く依存します。分子動力学シミュレーションを用いて、フォールディングおよびミスフォールディングのエネルギー地形と駆動原理を明らかにします。特に、mRNA、lncRNA、ウイルスRNAといった長鎖RNAにおける構造アンサンブルと機能の関係を体系的に理解することを目指しています。

2. RNAデリバリーと製剤設計

RNA医薬の実用化には、安定かつ効率的なデリバリーが不可欠です。本研究では、カチオン性ポリマーや脂質ナノ粒子などのキャリア材料とRNAの相互作用を分子レベルで解析し、複合体形成および自己組織化の原理を明らかにします。シミュレーションと実験を統合することで、RNAの安定性、細胞取り込み、治療効果を最大化する製剤設計指針の確立を目指しています。

3. RNA-タンパク質相互作用と複合体・凝集体形成

RNAは、しばしばタンパク質と協働して機能する分子です。リボソームやテロメラーゼといった巨大分子複合体の形成機構に加え、天然変性タンパク質との相互作用や凝縮体形成に着目しています。これらの複雑系を分子シミュレーションにより解析し、細胞内でのRNA機能発現の物理基盤を明らかにします。

共同研究

本研究室は、RNA科学の発展に向けて、国内外の学術機関および産業界と積極的に連携しています。共同研究や技術連携に関するご相談は随時受け付けています。